旧ブログ/185
出遅れたよ、京ポン
- 投稿日:2005-05-22 00:00:00
- カテゴリー:その他
ゲーテのファウストを読んでいて、悪魔メフィストーフェレスとブヒブヒが
よく重なった。水木しげるの悪魔くんのメフィストなんかよりずっと
マッチした。時にはおどけたり、時には辛らつに皮肉ったりと
ファウスト博士がブヒブヒと一緒に珍道中をいく姿が想像されたものだ。
そもそもメルヘンの世界と作品の世界観が近いというのもあるかも知れないが、
ちょっと間が抜けていたビジュアルの方があのキャラクターにはあっているなと
思ったのだ。
悪魔の起源はやはり西洋の宗教にあるのだろう。独裁者や病苦を
表象するものとして、信仰のある人の反対側の存在として生み出されたものだ。
善悪の対立が強く現れているあたりが、日本の文化とは相容れない気もする。
しかし、ブヒブヒは日本産の悪魔として非常に巧みに描かれている。
悪いというか小ずるいとかこすいとかそんなかわいらしさがどこかにある。
大魔王の前ではへこへこする辺りも国産ならではな悪魔だ。
しかし、また、コジコジでは何度もブヒブヒが盗んだり、だましたりするシーンが
克明に現れる。これは何気に衝撃的である。他の漫画にみられる不良や
変態のキャラクターよりも変に生々しさがあるし、それを包み隠さず
出してしまって大丈夫なのか?ともちょっと思う。
何より新鮮なのが、必ずしもブヒブヒが罪を犯しても、罰せられる描写が
少ないことだ。出版社へのいろいろな圧力から子供向けの漫画は基本的に
勧善懲悪であるべきという流れがあるのだが、ブヒブヒは教室で暴れても
コジコジと山に登ってすがすがしくなって終わりになってしまう。
シュールにもとれる落とし方だが、そういうのは昔はもっとあった気がする。
何の話だかわからなくなってしまった。
ブヒブヒには「悪」としてのパターンが二つぐらいあって、それが
ときにキャラクターをぼやけさせていることがある気がする。
アニメや後期の漫画では毒が抜けているが、前期の漫画では
結構な悪役として頑張っていたというのが自分の中でのまとめである。
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