ツナとササミ

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ビックリマン20th

  • 投稿日:2005-11-17 00:00:00
  • カテゴリー:その他

新鋭、綿矢りさの処女作が文庫になって本屋に並んでいたので、購入。
自分より若い人の文章なんて読むことは始めてかもしれない。
そんなこともこれから次第に増えていくのだろう。

十代で大きな文学賞を受賞するような人は果たしてどんな文章を書くのか。
気になるところではあったが、あまり期待はしていなかった。
自分より少し若い世代というのはやることなすこと必要以上に青臭さを
感じてしまって、気恥ずかしくなる。
きっと、この作品もそんなだろうと思って読み始めてみた。

やはり文章のはしばしに描写不足があって、わがことのようにムズムズした。

それは仕方がないとしよう。この作品がどうして世の中に出たのか、
それはそんなムズムズとは近くて別のところに読むべきところがあったからなのだ。
ムズムズしてしまうのは読み手の私の問題だから仕方ない。

高校生が高校生のことを書くのだからこれ以上のリアルはない。
高校生の青臭い悩みが普通に書き連ねられていて気持ち悪い。
自分にはもうこんな気持ち悪いことも書けないだろう。
こういうことは常に需要があっても、いつまでも書ける人がいないので、
定期的に供給元が必要とされるんじゃないだろうか。

描写不足はスピード感優先ゆえか。終わりが淡白なのも高校生にしか
みえないストーリーのヤマがいつの間にか落ちていたからだったのか。
もう一度、自分を高校生にして読み返すと何気に大冒険があって、
スリルとともに決着がついていた。

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