ツナとササミ

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図書館危機を読んだ

  • 投稿日:2007-02-13 22:42:15
  • カテゴリー:読書


図書館危機

図書館危機

メディアワークス



図書館戦争のヒットを受けて続編図書館内乱に続き、今度は「図書館危機」というタイトルで新刊が出てました。このシリーズはなかなか自分のツボをついてくる面白さなのです。あと一冊でシリーズ完結とのことで、主人公・郁とも今巻を含めてあと2冊のつきあいかと思うと残念ですが、その分大事に読み進めていこうと思いました。

さて、前巻の手塚兄の爆弾暴露を受けて、気持ちの整理がつかない郁、という切り出しで物語がスタートします。「王子様は鬼上司」という事実は、もっとシリーズの最後までとっておくネタかと思っていたので、手塚兄の発言は読者としても爆弾でした。ここで郁の対応をどう描くのかなかなか興味深いところでもあります。結果出てきたのは、「事実は郁だけ知らない」という情報量の構図が、「郁が事実を知ったことを堂上だけが知らない」という逆転を遂げたのでした。これはおもしろい展開ですよ。最終巻に待ちかまえているのは「郁が実は知っているということを堂上が知ってしまう」というイベントです。それまでの間、何も知らない堂上が郁を気遣う様子を見て読者はほくそ笑むのです。これまで郁にしていたほくそ笑みですよ。堂上に対するそれの方がずっとおもしろいに決まってますね。

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