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映画「マリーアントワネット」を観た
- 投稿日:2007-02-05 02:47:10
- カテゴリー:映画
「豪華な資料集」というのが頭に浮かんだ作品でした。
宮殿とお菓子と装束と・・・当時の時代背景を中々、忠実に再現しているんじゃないでしょうか。(詳しくはないですけど。)映画が終わった後のテロップにコスチューム関連の職業の人のクレジットが延々と列挙されて流れていたのは圧巻でしたね。
私はマリーアントワネットって女性が、政略結婚させられた先(フランス)でどんな生き様だったのか、彼女がどんなキャラクターだったのか、といった描写を期待して映画館に観にいったのですが、彼女は人形のように着せ替えられているだけだった。 こう、これといって芯がなく、周りに動作の流れに身を委ねきっているような感じです。「お前は空気かっ!」ってくらい何もしてなかったですね。着替えなんかもみんなやってもらってましたが、そういう意味ではなくね。ギャンブルや仮面舞踏会やスウェーデン貴族との不倫や子育てやいろいろ彼女のキャラクターを描写するシーンはあったと思うのですが、どれにのめり込むでもなく、淡々と楽しんでいる様子だけが描かれているのです。
ストーリーラインにはヤマもオチもなく、宮殿から逃亡する馬車の中で終劇。
普通にギロチンのシーンで涙の処刑・・・という安易なラストにはならなかったのですが、うーん、迫りくる民衆に対してもわりと無反応。自分の中でマリー像が掴めないまま終わってしまいました。
おそらく、「マリーアントワネットは『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』なんて発言はしてないよ」というのがこの映画の主題だと思われる。真実と思われることのみを淡々と描く、そんな教科書的なスタンスで作られた映画なんじゃなかろうかと思いました。母親との往復書簡が資料として残っているらしいのですが、そこに記されていた風聞とは異なる真相を追究したという感じなんでしょうか。
きっと作り手は面白かったのだと思います。悪評ばかりの彼女が、実はそんな悪意の塊みたいな人物ではなかったことを検証していく作業は、謎解きみたいでちょっと楽しそうです。でも、人がパズルを解いているのを観ても楽しくないのですよ、という映画館の客席の意見を聞いてくれてもよいような。
ちなみに、ルイ16世と娘のマリーテレーズの役者さんは好感持てました。
ルイ16世のあの年代の男子特有のむずかゆい感じとか、すごくよく伝わりました。娘はただ単にかわいかったです。チョイ役でした。
ギャンブルのシーンでマーブルなチップを使用していたのをみて、ちょっと欲しくなったのでした。映画を観て、そんな感想もどうなんだ、自分よ。
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