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XXXHOLiC 10巻 を読んだ
- 投稿日:2006-11-19 00:49:21
- カテゴリー:読書
巻数も二桁となって、そろそろ四月一日君が何の必然で侑子さんに出会ったのかもうすぐにわかりそうな気配が漂ってきました。今巻はいろいろ見所がありましたが、ついにひまわりちゃんを軸とした筋作りが始まりました。
ひまわりちゃんには何かあるという雰囲気作りだけは、着々と地味に進められてましたが、今回の指切りもその伏線のうちの一つかと思っていたら、そこから一気に話が広がっていきました。長身の四月一日君がストップモーションで学校の窓から落ちていく描写、そして血だまり。ここでついにひまわりちゃん時代の到来を察知しました。
ひまわりちゃんのこれまでの態度がどういうものだったのか、思い返してみるとなるほど一巻してますね。あの告白は読者に衝撃を与えるのには十分でした。地味に重ねられていた伏線が一気に解消した爽快感とそこにある残酷さとやりきれなさが、ズシンときます。
そして重要なのはその後ですね。四月一日君はなんていい子なんでしょうか!読者をそれこそ学校の窓から突き落としておいて、眼前が真っ暗になったところから一気に空を飛ばされたような、そんな胸のすく思いでした。こう、全編通して、四月一日君は終始、拾い続けるんですよね。風船もあげちゃって、小羽ちゃんも救い上げているし。全身に重症を負った状態でも、ひまわりちゃんを救おうとしてるし。
最終的には、侑子さんも救ってしまう、みたいなそんな器の大きさを感じますよ。雑用に従事しているとそうは見えませんけどね。あの雑用の対価はきっとものすごい高いんでしょうね、侑子さん。お昼ご飯をご馳走になっている、百目鬼君があれだけ、いろいろ四月一日に尽くしているあたりからも察せられます。
とりあえず、ひまわりちゃんは四月一日のためにも不幸な結末に連れていかないで欲しいところです。むしろあの特異な体質を今後役立てる方向だとホッとするんですが、この漫画にそんなご都合主義は通じないですよね。単純じゃないなぁ。
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